2011-10-28 Webマガジン『我逢人』Vol.6 を発行しました。


【輪読会】「『友田不二男研究』を読む 〜傾聴の原点〜」(10/24〜2012/3/5)開催中です。各回毎に参加できます。

【トレーニング】インテーク面接と面接記録の書き方実習(2011/11/5)を開催します。

【実践研修会】「コミュニケーション能力(感受性)向上訓練」(11/19〜)受付中です。




「初秋、すすき」

マルチタスク

 最近注意力が持続できなくなったような気がする。年のせいもあるけれど、今のネット生活がかなり大きな原因ではないかと疑っている。パソコンに向かう仕事が増えた上に、今どきのパソコンは常時インターネットにつながっているため、メールやアラートが頻繁に飛び込んでは思考を中断する。アラートは設定で届かなくすることもできるが、気持ちはそうはいかない。気になる返事を待っているわけでもないのに、無意識にメールを開き、Facebookを覗いてしまう。ただでさえシングルタスクなボクの脳ミソはオーバータスクに陥る。
 注意力が持続できず散漫になったというのは、集中して物事を深く考える能力も衰えたということで、ちょっとしたまとめを作るのも苦労する上、時間がかかるようになった。ボク個人の問題ならあきらめるしかないけれど、最近のドラマや書籍をみても、なんとなく単純なショートストーリーのオムニバスものが増え、硬い本(ハードカバーという意味ではなく!)が減って、安直なハウツウものが良く売れているような...世の中全体が浅薄になっているとしたら、これは由々しき問題なのかも。(横山 慶一)

働くママがハッピーになるために

 今回はまず番組の紹介を少しさせて頂きます。
 BBCといえば英国放送ですが、滋賀県にもBBC・びわ湖放送というローカル局があって、地元に密着した情報を発信しています。私はそのBBCの「県政週刊プラス1」という番組に毎週土曜日出演しています。テーマは多岐にわたります。びわ湖を有する県だけに、環境・観光・産業・農林業・教育・文化etc.・・どのテーマをとってもびわ湖とその周辺の豊かな自然に繋がっていて、昔ながらの地域の人と人との繋がりもあり、滋賀県に通い始めてもうすぐ2年になりますが私はどんどん滋賀県が好きになっています。

 前置きが少し長くなりましたが、その番組で、今月「男女共同参画社会」を目指す取り組みが取り上げられました。その詳しい内容は滋賀県のホームページで番組が動画配信されていますので、ぜひご覧ください。


 最近は女性が社会で活躍する場面が増えましたが、平成21年度の滋賀県の調査では、依然として「男性は仕事中心・女性は家事中心」という性別で役割をとらえる意識がまだまだ根強く残っているそうです。また、仕事と、子育てや介護などの家庭生活、地域生活などにバランスよく関わる、いわゆるワーク・ライフ・バランスを希望する男女が増えていますが、それを実現できる社会環境が十分整っているとはいえません。
 そこで、まずは『子育て期の女性の就労をサポートする取り組み』が重要になってきます。

 先日、育児真っ最中の働くママで、キャリアコンサルタント仲間でもある私の友人が、大阪市内で「はたらくママさん応援企画・じぶんリセット&食の知恵で手に入れる Happy Mama Life」というセミナーを開催されたので、私も子供を連れて参加してきました。働くママとして今どんなことを感じているのかをみんなでたくさん出して、付箋に書き、それを似たもの同士グループごとに集めて関連を考え、最後に今日の気づきを得ました。これまでの私と将来の私を考えることはとても大事だと思います。そして何より、同じ境遇の仲間がいると心強いし、情報交換ができる場は貴重です。
 今回このセミナーを主催した友人のように、自らのニーズを下に、得意な分野や専門分野で仕事を作り出していく、起業していくという選択肢も女性にはあります。実際、女性の活躍の場は、どこかに就職するだけでなく、起業やコミュニティビジネス、まちづくり活動やNPO活動など、社会のあらゆる場面に広がっています。
 一方で男性側からみると何が必要でしょうか。『男性の意識改革、つまり子育て期の男性側の仕事と子育ての両立』も重要だと思います。
 家族のために男性だけがばりばり働いて儲ける、働けば働くだけ儲かって、幸せになる、という時代はもう終わりました。今は価値観が多様化し、育児・家事・趣味など、生活を楽しむことが幸せだという男性も増えています。ちなみに我が家では、保育園の送迎やおむつ替えもパパが出来るときにはしています。男性の育児休業も少しずつですが耳にするようになりました。
短期間でも男性が育児休業を取得することで、職場の仕事の仕方の見直しや、休みを取りやすい雰囲気づくりに繋がります。

 番組では、「NPO法人ファザーリング・ジャパン」代表の、安藤哲也さんにもインタビューをしています。このNPOは「ファザーリング=父親であることを楽しもう」をモットーに仕事も育児も両立しながら楽しんで生きたいという男性を応援している団体です。そして安藤さんは厚生労働省「イクメンプロジェクト」の座長もされています。その安藤さんがおっしゃった言葉で一番印象に残ったのは「育児は期間限定」という言葉でした。「期間限定だからこそ、男性も女性も今できることを楽しもう!!」。このメッセージは、育児と仕事の両立で葛藤している人たちにとって、肩の力がふっと抜ける「魔法の言葉」ではないでしょうか。
 今、私たちは男性、女性にかかわらず、個人としてその人らしい生き方を選べる時代を生きています。社会の制度や環境が整うにはまだまだ課題がありますが、私たち自らが意識を変えていくことは自分でできます。
 働くママとして、仕事をすることで家事や育児がおろそかになるのではないかという罪悪感を感じることなく、これが「私らしい生き方!!」
と胸を張って生きていけるように、家庭や職場や地域で、小さな私なりの幸せを見つけていきたいと思います。(毛利)

ファザーリング・ジャパンでは、来年2月17~19日に、大津市で「ファザーリング全国フォーラムinしが」を開催されるとのことです。興味のある方はこちらをご覧ください。


キャリア・コンサルティングをどう位置づけるのか

 「キャリア・コンサルタント」とは、「経営コンサルタント」の ”経営” を ”キャリア” に入れ替えたもの。「経営コンサルティング」については既にノウハウは知見が集まり、業務も定式化されつつある。ちなみに「コンサルティング経営」とは全く異なるもので、「経営コンサルティング」の目的は「いかに儲けさせるか」というコンサルティングそのものが商品であるのに対して、「コンサルティング営業」とは、何かを売るためにアドバイスをすること(で儲ける事)が目標である。
 キャリア・コンサルティングとキャリア・カウンセリングが混同され曖昧に使用されているのは、「経営コンサルティング」と「コンサルティング経営」と同様の理解不足によるものと思われる。キャリア・コンサルティングは、「(個人であれ組織であれ)いかに生きるか」結果を出すことが商品であるが、キャリア・カウンセリングとはその過程にカウンセリングの知見を用いてアプローチすることを指している。

 ToiToiToi!!!でのコンサルティングは、「経営コンサルティング」と同様にシンクタンク的な職域、コンサルティングの職域での活動で、心理面、コミュニケーションフィールドへのアプローチにカウンセリングやコーチングの知見を使う。
 コンサルティング、カウンセリング、コーチングと呼ばれているものは、概ね図のような対象領域での活動を指し、コンサルティング → カウンセリング → コーチング → インテグラル・セッション という形で前者を含みつつ越えていくホロンの関係である。
  • コンサルティング:組織診断や個人のアセスメントによる客観的、事象的特徴を捉える。
  • カウンセリング:次に、主観的内面に焦点を当てて、対面での対話を主軸に自己理解、満足度を正しい認識を促す。
  • コーチング:更に、対人関係性やコミュニケーション、判断を中心にスキルを駆使した支援を行う。
  • インテグラル・セッション:最終的に統合された高いレベルを表出、実行できるように意識を変化させる。


(横山)

コミュニケーション・プログラム

 高校生にコミュニケーションスキルを身につけさせるためのプログラムを検討する機会がありました。
 スキルを身につける前に、まずはコミュニケーションのしくみを理解することが重要だと思います。他人とのコミュニケーション以前に、自分は今何を感じ、考えているのか、日頃から自分とはどんな人間であるか、自分の性格や行動の傾向はどうなのか、を知ることが大切です。人間関係の苦手な人、自己表現がうまくできない人は、上手な言い方や方法を探ろうとしがちですが、方法の前に必要なことは、自分とうまくつきあう、つまり自分のことをよく知ることがスタートになると思います。自分のことをよく知り、自分の好きなところに目を向けられれば、そんな自分を表現することにあまり抵抗がありません。さらに、他人にそんな自分を知って欲しい、伝えたい、という願望も出てきます。これを「対自コミュニケーション」といいます。
 次にコミュニケーションのしくみを理解します。コミュニケーションは、伝え手と受け手から成るということ、伝える手段は言葉の他に身振りや表情、声や言葉の調子など、非言語的なものが加わるということ、それらは相手に目や耳を通して伝わり、脳にインプットされ、相手の脳では、感情・思考などのさまざまな働きが起こり、受けとめられ、理解されていくというしくみを理解することが必要です。つまり「対他コミュニケーション」ですが、ここでさらに重要なのは、

  1. 人それぞれ理解の枠組みが違う・・つまり、伝えたことは相手の受け取り方で変わる。
  2. 自己表現には限界がある・・つまり、こころのすべてを伝えることはできない。

ということをしっかり認識することではないでしょうか。完璧に相手の想いを知ることはできないし、こちらの想いを伝えることはできない、だからこそ、人と人とのやり取りの中で、誤解やズレを調整していくことが大事になってくるということを教えなくてはならないと思います。
 そして、相手を理解すること、聴くことの大切さを演習を通して実感していきます。さらにアサーションと呼ばれる適切な自己表現を紹介し、こちらも演習を通して理解してもらいます。
 結果として、コミュニケーションで大切なことは、自分を正確に伝えようとする努力と、自分から相手が言っていることを相手の想いに則して理解しようとする努力、この2つが必要だということが伝えられたらと思います。
 Toi Toi Toi !!! でも、高校生向けのコミュニケーション・プログラムやビジネスマナー・プログラム作りを進めています。キャリア教育に役立つプログラムを充実させていけたらと思います。(毛利)

コネクターとしてのキャリア・コンサルタントの重要性

 メーリングリストを通じて、某大学でご活躍中のキャリア・コンサルタントの方に、ある企業の求人にご協力をお願いし、その方と連携しながら、双方とも満足のいく結果を出すことができました。「就職活動と採用活動のマッチング」7月号に下記のように書きましたが、その実践報告です。

 「ToiToiToi!!!は・・・就職活動と採用活動を仲介することで・・・それぞれの活動を一気通貫させることを考えている。具体的には雇用する側(求人側)のキャリア・コンサルタントとして求人活動をサポートし、求職側のキャリア・コンサルタントと連携することでリアルな「その人」と「その仕事」のマッチングを行う。」


 今回のアクションを振返ってみると、図のように、従来では企業担当者と就職活動大学生(及びその学生をサポートするキャリア・アドヴァイザー)の間の単線的なコミュニケーションであったもの(黒線の矢印)が、企業側のキャリアコンサルタントを置くことで、複数の関係性が生じ、ネットワークが格段に広がること(青、紫色の線の矢印)がわかりました。結果として本来、書類と面接のみで行っている採用活動が非常に厚みのあるものになり、キャリコン同士が話をすることで、求職する学生と求人する企業は、対等な関係で当事者(学生/企業)の意思をすり合わせたり、直接、当事者に確認することが難しい内容を間接的に確認することが可能となりました。

 求職側・学校側のコンサルタントにとっては、企業側のコンサルタントとのやり取りの中で、企業の実態やニーズについて正確に知った上で、本人の意向と企業の実態をすり合わせながら判断し、学生の真の期待に沿うことができますし、求人側:企業側コンサルタントは、学生のこころの揺れや本音をかいま見ながら相手を尊重する立場で進めることができ、全員が納得できる内定を実現できる大きなメリットがあります。また、内定後も入社前に先行して在籍中から教育に関わることができる可能です。

 一般的な人材紹介活動では、マッチングを行って適合性がある人を紹介するまでで、いわば可能性の提供までで、就職後の考慮やサポートは難しいと思われます。





 今回の活動を通して、採用におけるキャリア・コンサルタントは、マッチングというよりもコネクター、あるいはリエゾン・マネージャー(liaison managaer)という、人を繋ぐ専門性が問われることを強く感じました。この活動は、人と関わる際の繊細さと、どこまで対応するかできるのかという能力と情熱に負うところが大きく、定型的職業スタイルとして定着にするには時間がかかるかもしれませんが、キャリア・コンサルタントにしかできない領域であろうと思います。
 特に定期的な採用を行っておらずノウハウを蓄積していない会社にとっては、人物を見極めるのは大変な作業です。少しでもお互いが本心で語り合い、納得のいく出会いができるようなアクションを続けたいと思っています。(横山)


「断捨離」(ダン・シャ・リ)と「守破離」(シュ・ワ・リ)

 どちらもよく使われている人生訓。余計なものをそぎ落とし本質をつかむ「断・捨・離」、教えられたものをさらに越えて究極の本質に迫る「守・破・離」。共通点は最後に離れること、ここにも「前のものを含んで越えていく」思想(ホロンの概念)が流れている。(横山)




 Facebook版のToiToiToi!!!ページでは、話し好き、人が好きな人どうしでコミュニケーションをしてもらう「インテグラル・クラブ」を立ち上げようと思っています。今はFacebookの非公開グループです。もちろん登録は無料で、参加されたメンバーがお知り合いの方を登録していただくことも可能です。少しずつメンバーを増やして、気楽に話しあいや交流ができるようにしたいと考えてます。興味のある方はご連絡ください。(横山)


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